ロープ製造事業

繊維を複数本撚り合わせて、「ヤーン」（撚糸です）を作ります。製造しようとするロープの種類や直径によって、一度撚り合わせたヤーン同士を再度撚り合わせる場合もあります。ヤーンの良し悪しは、ロープの出来栄えに大きく影響します。そのため、紡糸工程から原糸（材料となる繊維です）が届いた際の受入検査や、ヤーン製造途中の工程管理は、厳しく、細心の注意をもって実施します。この工程では、各種撚糸機を使用します。

ヤーンを複数本撚り合わせたものを「ストランド」と呼びます。ストランドの断面は、ヤーンがほぼ同心円状に層をなしています。通常、層の数は、ロープの直径によって2から5です。この工程においても、前工程から届いたヤーンの受入検査や、ストランド製造途中の工程管理は、厳しく、注意深く実施します。この工程では、ストランダーと呼ばれる装置を使用します。

ロープは、ストランド本数が3本である場合三つ打ロープ、8本である場合八つ打ロープと、それぞれ呼びます。ロープは、更に材料となる繊維の種類によって、ポリプロピレンロープ、ポリエチレンロープ、ナイロンロープのように呼び名がかわります。ポリプロピレンとポリエチレンの繊維は泰興が自ら製造しているため、これらのロープが泰興の主力になります。ここでは、各種製綱機でストランドを撚り合わせてロープを完成させます。

熱処理は、ロープ内部に残るひずみを除去し、ロープに、形態・寸法安定性と高い復元性を与えるために非常に有効な手段です。加熱方法では、高周波による誘導加熱という方法が一般的ですが、現在ロープの素材として主流であるポリプロピレンとポリエチレンは、内部に水分子をもたない疎水性であるため、電子レンジ風の誘電加熱では十分な効果が得られません。それにかわるものとして、泰興は数十年も前から、高温高圧の水蒸気を熱媒体として使用する独自の装置を開発し、十分な熱処理効果を実現しています。

完成したロープは、日本産業規格などの規定に準じて試験を行い、その結果を泰興独自の厳しい基準と照らし合わせて合否を判定します。この検査には、外観検査の他、直径、線密度、引張り強さなど、いくつもの項目が含まれます。泰興の規格要求を満たさないものは、不適合品として、出荷することはありません。不適合品の発生原因は調査され、偶発的なものでない限り、再発を防止するための処置を講じます。