紡糸事業

ペレットとよばれる粒状の主原料（ポリプロピレンやポリエチレン）と、マスターバッチに加工された顔料を均一に分散するように攪拌しながら押出機に投入します。（次工程以降では、これらをまとめて原料と称します）

主原料の種類によっても異なりますが、押出機内の原料を、概ね200℃以上の高温で溶融し、スクリューで均一に混練します。ここでの混練とは、主原料と顔料がきれいに分散するように練って混ぜることです。

溶融され、十分混練された原料は、押出機の紡糸口金とよばれる細孔から外部に押出され、冷却水や冷風で冷やされて固化します。この時、原料は初めて繊維の形状を見せます。

一旦冷却された繊維を、再度、適度に加熱しながら引き伸ばしていきます。これが延伸です。繊維は、延伸によって繊維内部の分子鎖の配向が整えられ、引張り強さに代表される物理的性質を向上させます。

あらかじめ定めた重量になるまで繊維を巻取ります。紡糸の次工程では、同じ繊維を複数巻使用することが多いため、巻重量、すなわち巻長さは均一である必要があります。

巻き上がった繊維は、外観検査を行います。検査項目は、巻きの異常、色むら、傷、汚れの有無などです。不具合のあるものは、たとえそれが僅かなものであっても、出荷することはありません。検査結果は記録されます。また、不具合の原因は調査され、偶発的なものでない限り、再発を防止するための処置を講じます。

繊維の引張り強さ、伸び率、繊度、色相については、全ての製造ロットを対象に試験を実施します。これらの項目は、工程管理での合否判定にも使用され、不合格品は検査の場合と同様に扱います。また、繊維の種類や、お客様の要求に応じて、水分率、油分率、染色堅牢度、耐摩耗性などの試験も工場付属の測定設備で行います。試験結果はデータベースに蓄積し、定期的に分析し、工程の見直しに利用します。